旬やさいの里では、化学的につくられた農薬や肥料を使わずに野菜を栽培しています。
農薬や化学肥料を使えば、作業効率もよく見栄えの良い野菜を大量につくることができます。しかも、安定した収益が得られると聞いています。が、わたしは、安定収入よりも“安全な野菜”を栽培する農業を選びました。
それは…
わたしの妻はアレルギー体質です。病院で調べて7種類のアレルギー反応がありました。
なので、当然、ふたりの子供もアレルギー体質です。
ふたりとも小さいころに小児喘息だとわかりました。
長男は、小学校1年生の時に腎炎になり“腎生検”という検査をし3ヶ月入院。
最初の1ヶ月は点滴の針を刺したままの状態でした。いまは元気な34歳です。
次男は、ミルクを飲んだ後、2時間くらい泣きっぱなしでした。
気持ち悪かったんでしょうね。生まれながらに粉ミルクが合わず、特別な粉ミルクを買い求め飲ませていました。
2月の寒い夜中、2時間くらい背中をさすっていたことを今でも覚えています。
次男は、いまでもツル系の(メロンやキュウリなどの)野菜や果物を食べると「喉がイガイガする」といいます。が、わたしがつくる野菜は少しづつ食べられるようになった元気な29歳です。
妻は、スーパーで買ってくる(化学的につくられた農薬や肥料の吸い込んだ)野菜や食品添加物を使っているものを食べると「かゆくなる」、といいます。
つまり、
わたしが化学的につくられた農薬や肥料を使わずに野菜をつくりはじめたのは【家族のため】です。
「家族と同じような症状に悩む人の役に立ちたい!」と思うからです。
ただ…
化学的につくられた農薬や肥料を使わずに野菜をつくるのはスゴくたいへんです。
キャベツは”破れ傘”ごとくアオムシに食害されます。
ステックセニュール(茎ブロッコリー)はアブラムシだらけになりました。
畑は雑草だらけになり、来る日も来る日も草むしり…
そんな中、
キャベツを害虫から守るために混植したレタスや春菊のできばえはよかったことは、せめてもの救いでした。
現在は、次のような農法に変えています。
1.あぜ道と畑の境に溝(幅80cm深さ60cm)を掘る。
あぜ道や隣接する田畑で使われている化学的につくられた農薬や肥料の浸みた水が畑に侵入するのを防ぐためです。
2.溝と畑の間に通路(幅4m)をつくる。
化学的につくられた農薬や肥料の浸みた水が、溝からあふれ畑に侵入するのを防ぐためです。
3.畑の土をときどき天地返しする。
土を深さ1mくらい堀り、微生物のエサになる枯れ草やワラ、棲みかになる籾殻くん炭などを入れます。その上から上層の土、下層の土と順番に入れ土を埋め戻します。
4.畑の土を太陽熱で消毒・殺菌する。
土を透明のビニールで被い、太陽熱で土の中の温度を上げ、1ヶ月くらいかけて草の種や害虫を駆除します。
5.輪作栽培を活用する。
同じ場所で同じ野菜を栽培することで土壌障害による病気が発生するといわれています。なので、栽培する場所を5年でひとまわりする方法で栽培しています。
6.コンパニオンプランツを活用する。
バジルとトマト、レタスとキャベツ、キュウリとマリーゴールドなど、互いに助け合いながら病害虫による被害を少なくし、仲良く一緒に育つ野菜たちを混植しています。
7.バンカープランツを活用する。
おとり作物・天敵温存作物とも呼ばれている害虫の天敵を集めるための植物を畑の周り・中に栽培しています。
8.防虫ネットや不織布を活用する。
成虫や幼虫から野菜を食害されないよう、防虫ネットや不織布などで野菜を被い防除しています。
「1.」~「8.」の方策によって、化学的につくられた農薬や肥料の浸みた水の侵入を防ぎ、草を抑え、虫による食害や病気を出さない土壌環境をつくっています。
赤ちゃんにも安心して食べさせられる安全な野菜をつくるため、上記のような農法にしています。
また、栽培計画に基づいて予定どおり作業ができるよう、一部の土壌に試験的に屋根(ビニール)を付けてみます。いわゆる『ビニールハウス』です。が、一般的なビニールハウス栽培と異なるのは【季節度外視の大量栽培を目的としない】点です。こだわるのは【“美味しい”以前に安全な旬野菜づくり】です。
ビニールハウスを使うことで、
1.雨が降っても予定どおり作業できます。
2.側面に防虫ネットを張ることで外からの風を取り込み害虫の侵入が防げます。
3.屋根に降る雨を樋で受け雨水タンクに溜めることで、日照り続きのときに使えます。
